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 静岡県下田市の爪木崎海岸で今夏、海水浴場でのタトゥー(入れ墨)の露出や大音量の音楽などの規制が試行される。海岸の周辺を管理する地元自治会の須崎区(土屋磯雄区長)が決めた。市内の海水浴場では初めての試みだ。

 爪木崎海岸は市の条例に基づく正式な海水浴場ではないが、浜辺や磯遊びをできる岩場があり、多い日には数百人から1千人ほどの海水浴客が訪れる。多くは家族連れだが、近年、若者らのグループも増え、大きな音で音楽を鳴らしたり、タトゥーを露出したままにしたりするケースが増えてきた。

 浜辺への入り口にある駐車場を管理している須崎区には、苦情がたびたび寄せられるようになった。「放置すれば家族連れがますます来にくくなる」として市などに相談し、タトゥーの露出などを禁止することにしたという。浜辺での飲酒やバーベキューなども禁止し、それらができる場所を別に設ける。

 今年はトラブルを避けるため、マイクで呼びかけるだけにし、警備員などが直接注意するようなことはしない。来年から正式な海水浴場として指定するよう市に要請しており、今年の結果を踏まえてどのような規制をしていくか、市などと協議していく考えだ。

 海水浴場の音楽やタトゥーなどの規制をめぐっては2014年、神奈川県逗子市が禁止条例を制定し、違反者に警備員らが注意する活動に乗り出した。海の家で音楽を大音量で流して踊る「クラブ化」が進み、風紀の乱れや騒音の苦情が増えたためという。規制直後は海水浴客が大幅に減ったが、その後、家族連れなどが増え、昨年は規制前の水準にほぼ戻ったという。同市周辺の湘南の海水浴場でも、海の家の組合などが自主ルールで規制する動きが広がっている。

 この影響を受けているのが下田市の海水浴場だという。ライフセービング活動をしている江田邦明市議は「以前より多くタトゥーの若者などを見かけるようになった。湘南から流れてきているようだ」と話す。

 市内の海水浴場では以前から、条例で禁止されている浜辺での飲食料品やビーチ用具の無許可での販売や貸し出しが横行していることが問題になっていた。市議会でもたびたび取り上げられ、市は実効性のある条例への改正を検討している。そのなかでタトゥーなどについても同様な規制が可能か、湘南の事例を踏まえて考えていくという。(石原幸宗)