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 令和最初の参院選が終わった。衆参ダブル選挙を回避した与党の判断は功を奏したのか。野党の「共闘」はうまくいったのか。消費増税や年金の「2千万円」問題はどう影響したのか。「3分の2」を与えなかった民意に「改憲勢力」の次の動きは。この選挙を通じて、私たちに「希望」は見えたのだろうか。

東京大学先端科学技術研究センター教授 牧原出さん

1967年生まれ。専門は行政学。著書に「『安倍一強』の謎」「内閣政治と『大蔵省支配』」など

 今回、自民党は議席を減らしましたが、それは織り込み済みだったと思います。安倍政権は、2012年の衆院選で政権をとった後、13年の参院選で大勝して衆参のねじれを解消し、政治基盤を固めました。今回は、13年ほどは勝たなくても、16年の参院選くらいの結果に収まれば、「現状維持」できるという判断だったのでしょう。

 安倍政権は、衆院選のリセット効果をうまく利用して短い任期を積み重ねた「短期政権型の長期政権」です。今回、リセットを狙って勝負をかけるなら、衆院を解散してダブル選にしたはずですが、解散せずに現状維持を選びました。

 ダブル選でリセットしてさらに4年というのは難しいという判断があったのでしょう。今の「チーム安倍」で、もう4年間政権を運営するのはさすがに無理があります。かといって、来年に東京五輪・パラリンピックがある以上、いま菅義偉官房長官や杉田和博官房副長官を始めとする官邸幹部を総入れ替えするわけにもいきません。

 安倍さんは、本質的には官僚システムの上に乗っている政治家です。国会審議で「質問に答えない」と批判されますが、官僚の用意したペーパーをそのまま読み上げるだけだから、話がかみ合わなくなってしまうのです。

 元ハンセン病家族訴訟の控訴断念も、01年の小泉政権のときとは状況がかなり違うと思います。小泉純一郎首相は、首相談話で患者・元患者の救済の方向性をはっきり示していたし、政府声明も低姿勢でした。政治主導で決められていたのです。今回は、首相談話で具体的な救済策には触れておらず、政府声明はきわめて官僚的な文章で、高圧的ですらあります。首相主導が貫徹していないのだと思います。

 安倍政権の6年半を振り返ると…

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