元走り幅跳び選手の俊足外野手、不屈の心でホーム駆けた
安藤仙一朗
(10日、高校野球滋賀大会 八幡工4-2高島)
4点を追う八回裏2死走者なし。高島はここから意地を見せた。「どんな形でも出塁する」。9番打者の梅村亮選手(3年)はボールを見極め、四球を選んだ。次打者とのヒットエンドランで、俊足を飛ばして一気に三塁に進んだ。
この後の打者の打球は平凡な内野ゴロ。だが守備が乱れた。「何かが起こるかも」と諦めずに本塁に駆けた梅村選手は、チーム初得点のホームを踏んだ。さらに打線はつながり2点差。二、三塁と攻めたが、あと一本が出なかった。
中学時代は走り幅跳びの選手で、県大会で入賞するなど活躍した。3年生の時に高島野球部の準優勝をテレビで見た。「地元選手がこんなに活躍するなんて」と感動。進学すると、迷わず野球部を選んだ。
脚力を生かし、守備範囲の広い外野手として2年生から主力に。秋春の県大会8強進出で「準優勝を超えて優勝する」と臨んだが、目標はかなわなかった。「挑戦者の気持ちが足りなかった。野球部で得た人間関係を今後の人生でも大事にしたい」と前を向いた。(安藤仙一朗)
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