嵐やSMAPなどを世に送り出したジャニーズ事務所の創業者で、社長のジャニー喜多川さんが9日に亡くなったことを受け、同事務所は10日、60人を超える所属アイドルの追悼コメントを発表した。卓越したスカウト力で時代を彩るスターを次々と世に送り出した育ての親に、感謝の声が上がった。

 「13歳のあんな僕に声を掛けてくれてありがとうございました」(近藤真彦さん)、「常に現場に立ち続けた姿勢を手本にさせて頂きます」(元SMAPの木村拓哉さん)、「23年前、一本の電話で僕の人生を変えたのはジャニーさんです」(嵐の松本潤さん)、「あなたは少年のような心を持った男でした。僕はあなたから教えてもらった遊び心とプロ意識でここまでやって来れた」(TOKIOの長瀬智也さん)、「エンターテインメントの素晴らしさや魅力、難しさを教えてもらいました」(TOKIOの国分太一さん)……。

 死去から一夜明け、事務所を通じて続々と発表された所属タレントのコメント。多くは、悲しみに暮れるよりも、スターとして一線で活躍できるまでに育ててくれた恩師への感謝の言葉であふれていた。

 未成年だった2005年に飲酒問題を起こして芸能活動を自粛した過去がある内博貴さんは、当時事務所を辞めることをジャニーさんに伝えた際、「人生というものは誰しも失敗して成長して行くもんなのだ」と説教された思い出を振り返り、「それがあって今の僕が居るんです」とコメントした。他にも「パパのような存在の人でした」(Kis―My―Ft2の千賀健永さん)といった、親子のような絆を感じるコメントも。

 1962年に創業したジャニーズ事務所。オリコンによると、事務所から出したシングルのうち、439作品がナンバー1ヒットを記録。これらの売上枚数は計1億4821万枚に上る。11年にはギネスワールドレコーズ(ギネス世界記録)が「最も多くのナンバーワン・シングルをプロデュースした人物」に認定している。

 人気アイドルを途切れることなく世に送り出せたのは「ジャニーさんの審美眼によるもの」と指摘するのは、「ジャニーズと日本」などの著書がある批評家の矢野利裕さんだ。10代をエンターテインメントの本場・米国で過ごすなどして培った「唯一無二の価値観」でプロデュースした。アイドルには華やかさや洗練だけではない、非日常的な独特の世界観のようなものがあったと言い、「彼らを通じて、歌って踊れる男性のかっこよさを一手に表現していた」と語る。

 そんな大きな柱を失った形だが、強い決意を込めた言葉もあった。

 NEWSの加藤シゲアキさんが「あなたがこれまで作ってきた子供たちは、これからもたくさんの愛情を届けていきます」と決意を示せば、V6の井ノ原快彦さんは「たくさんの思い出を、仲間をありがとう。まだまだ先に進みます。安らかに!」と言及。関ジャニ∞の丸山隆平さんは「観(み)ててや。沢山(たくさん)のファンのみんなにエンターテインメント届けてくるで!」と高らかに宣言した。