イラン大使「核合意、再交渉せず」 IAEA理事会後に

ウィーン=吉武祐
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 イランのガリブアバディ在ウィーン国際機関代表部大使は10日、国際原子力機関IAEA)の特別理事会が終了した直後に記者会見し、2015年に米欧などと結んだ核開発をめぐる合意について「再交渉はしない」と述べた。合意を離脱した米国が新たな枠組みを唱え、イランに圧力をかけているが、交渉には応じない姿勢を強調した。

 10日のIAEA特別理事会では、イランが合意で定める制限を超えた核開発に踏み切ったことを米国が非難。イランは米国による容赦のない制裁で人道上の被害が出ているなどと訴え、批判の応酬となった。

 米国が、イランにテロ支援などをやめさせるためとして、新たな枠組みの交渉を各国に呼びかけたことを念頭に、ガリブアバディ氏は会見で「銃を隠し持った者とは誰も交渉しない」と述べ、圧力をかける米国の姿勢を非難した。

 ガリブアバディ氏はまた、欧州がイランに核合意を守らせるための説得材料とする経済支援が不足していると表明。石油取引の再開に加え、人道目的以外の貿易の促進を訴えた。

 核合意に基づくIAEAの検証については「隠すものは何もない」と協力を強調。一方で、将来的に協力を縮小する可能性を問われ、「そういった事態にならないことを願う」と述べ、含みを持たせた。(ウィーン=吉武祐)