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 山口県周南市で2013年、同じ集落に住む5人を殺害し、住宅2軒に放火したとして殺人と非現住建造物等放火の罪に問われた保見光成(ほみこうせい)被告(69)の上告審判決が11日、最高裁第一小法廷(山口厚裁判長)であった。第一小法廷は完全責任能力を認めたうえで、「強固な殺意に基づく執拗(しつよう)で残忍な犯行」として被告の上告を棄却した。死刑とした一、二審判決が確定する。

 保見被告は起訴後の精神鑑定で「妄想性障害」と診断されており、弁護側は「心神耗弱状態」を主張して死刑の破棄を求めた。しかし、第一小法廷は「自らの価値観に基づいて犯行に及んでおり、妄想の影響は大きくない」と退けた。判決は、5人の裁判官の一致した意見だった。

 判決によると、保見被告は近隣住民から嫌がらせを受けているという妄想を10年ほど抱いた末、報復を決意。13年7月21~22日、71~80歳の男女5人を木の棒などで殴って殺害し、住宅2軒に放火して全焼させた。

 判決後、被害者の遺族3人が東京都内で記者会見した。河村聡子さん(当時73)の長女は「司法の場で決着がついたことに安堵(あんど)している。命日も来るので、終わったよと墓前に報告したい」と話した。裁判を傍聴してきた河村さんの夫は昨年亡くなったといい、「我々家族はこの日を待っていたので、父がこの場にいないことが残念」と涙を浮かべた。(北沢拓也)