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 わたしにとって五回目となる外の世界……。

 今度は約三年後の一九三七年七月になっていました。

 再び急いで満州国に向かい、間久部という日本人を探しました。やがて、中国東北地方を支配する關東軍にその名の少佐がいるとわかりました。陸軍のビルや宿舎の前で待ち伏せしました。でもちょうど日本軍は北京を攻めて“支那事変(日中戦争)”を始めたものの、形勢不利となったところで、人の出入りも多くひどく混乱しており、みつかりません。

 調べると、間久部少佐は上海を中心に発展した新興財閥、三田村家の末娘と縁談があり、頻繁に上海に出向いていることもわかりました。そこでわたしは満州国を出て、大陸を南下し、孫文の墓陵のある南京に到着。そこから揚子江沿いに東に向かい、上海に着きました。

 魔都上海! 東洋のパリ! 世界中から集まった人々が、租界で浮かれ、働き、遊び続けていました。見たことないほど豪奢(ごうしゃ)な悪徳の街です。わたしは上海語を覚えつつ、間久部少佐を探しました。ある夜会にやってくると知り、野鶏(ヤーチー)(白系露人の娼婦(しょうふ))になりすまして会場に潜入しました。

 ところが、いましも怪しげな夜…

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