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 第101回全国高校野球選手権和歌山大会が12日、開幕した。まわし姿での始球式などに会場は盛り上がり、開幕試合も接戦となった。この夏、39校の球児が、汗と涙を流し、紀三井寺に軌跡を残す。

開幕登板 目標は達成 和歌山工・水軒波人君

 「必ず、自分でかえしてやる」。1―1の同点で迎えた七回裏2死二塁で打席に立った和歌山工の水軒波人君(3年)。4球目の変化球を振り切ると、右方向への適時打となり、勝ち越した。「直球を狙っていたが、うまく体が反応した」と振り返る。

 この日、先発登板した水軒君。初回、先頭打者に二塁打を打たれた。「ストライクがほしくて、置きに行ってしまった」。その後、内野安打を打たれるなどして先制された。開幕試合ということもあり、「普段よりもアップが出来なかった。もっと走り込めば良かった」。

 その後は立ち直り、走者を出すも要所を締めて追加点を許さなかった。七回の打席ではバットを指2本分短く持ち、少しでも速く振ろうと心掛けた。

 しかし、八回、連打を浴びるなどして2点を奪われ、逆転された。「リードしたことで、心に緩みが出てしまったのかも知れない」。九回は柳室和希君(3年)に交代。水軒君は「守り切れなかったことも悔しいし、こんな場面で託すのは申し訳ないと思った」と話す。

 一歩及ばなかったが、開幕試合を戦えたことはうれしかった。小学4年生のときに親戚が和歌山大会に出場し、紀三井寺でプレーする姿を見て、「自分もあの場所に立ちたい」と憧れを抱いた。それ以降、エースナンバーを背負い紀三井寺でプレーすることが目標になった。

 「万全の状態で投げられなかったことは心残り。でもあの時の目標が達成できたことは良かった」。試合後、目頭を押さえた。(西岡矩毅)