【動画】お笑い芸人とシミュレーションゲームで選挙を学ぶ生徒ら=渋井玄人撮影
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 参院選で若者の投票率を上げようと、お笑いジャーナリストのたかまつななさん(26)らが取り組む出張授業が9日、始まった。18歳、19歳が投票できるようになった3年前も同じ取り組みをしたが、その世代の投票率は振るわなかった。芸人仲間とネットで資金を募る「クラウドファンディング」を味方に、投票率の低い県の学校を回る。

 「国を変えるために選挙に行こうと思っている人、どれくらいいますか~」

 司会を務めたお笑い芸人のみのるチャチャチャ♪さん(37)が話しかけると、山口県周南市の徳山高専の生徒たちが遠慮がちに手を挙げた。すかさず「なるほど四十肩だな」とのツッコミ。会場は和んだ雰囲気になった。

 民主主義や選挙の意義について、イラストで解説した後、3人の芸人とさっそくゲームに。この日は「逆転投票シミュレーションゲーム」。参加者を年代別に振りわけ、「50歳以下、選挙権を廃止」という政策の是非を議論し、投票した。年代別の投票者数を均等にすると否決。でも、高齢者が高く、若者が低いという実際の投票率を反映して、年代別の投票者数を変えると……。賛成が上回る結果になった。

 若者が投票に行かなければ、露骨に中高年を優遇する政策も通ってしまうと実体験してもらうのが狙いだった。4年の緒方彬伝(あきひと)さん(18)は「将来、良い暮らしをしたい。そのためにも投票したいと思った」。

 出張授業は、大学時代からお笑い芸人として活躍するたかまつさんが、2016年の参院選に合わせて設立した株式会社「笑下村塾(しょうかそんじゅく)」が無料で開催。3年前は全国16カ所を回ったが、今回は21日の投開票日直前まで、小学校から大学まで回る。高知や宮崎など投票率ワースト10県で1カ所ずつ行う計画で、その県出身の芸人を中心に派遣する。「責任を持って汚名返上してもらう」(たかまつさん)ためだ。

 16年参院選の全世代の投票率は54・70%。総務省の抽出調査では18歳と19歳は45・45%だった。年齢階層別では、①20~24歳(33・21%)②25~29歳(37・91%)③30~34歳(41・85%)に続き、低い。たかまつさんは「前回参院選は若い人の投票率がまだ注目されたが、今回はより心配。『自分たちがここにいる』と証明してほしい」と話す。

 クラウドファンディングの目標額は200万円。9日現在で約140万円が集まっている。詳細は同塾のホームページで。問い合わせは同塾の相川さん(080・3407・7572)まで。(渋井玄人)