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 将棋の第90期棋聖戦五番勝負で豊島将之棋聖(29)を破り、6年ぶりに三冠に返り咲いた渡辺明三冠(35)は2年前、不調のどん底にいた。15歳でプロ棋士になり、順調にトップ棋士としての地位を確立した渡辺三冠は、何に苦しみ、何を考えていたのか。棋聖戦開幕前のインタビューで語った棋士人生についての思いなどを紹介します。

V字回復、なぜ

――2017年度は、2000年のデビュー以来、初めて負け越しました。この10年間を振り返っていただけますか。

 20代後半の時に1回、三冠になって、そこが自分にとっては最初のピークでした。いちばん勝っていた実感があったのはそのころです。でも三冠は半年くらいしか維持できなかった。タイトルを少し減らし、手応えのない、よくもなく悪くもない時期が続きました。そこから「もうちょっと勝ちたいな」「伸びしろを作るためにはどうしたらいいか」と考えて、指す戦法を変えてみたり、普段の研究法を変えたのが30代に入ってから。戦法が定まっていなかった。それが2017年度あたりに悪い方に出ました。

 特に後手番の勝率が結構ひどくて。明らかに損な指し方をしていました。相手の方が新しい指し方をしてきて、それを自分は否定的な目で見ていた。簡単には乗り換えられず、結局、古い指し方をやるけど負けるというのが2017年度でした。

――具体的にどういう指し方です…

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