「三体」が生まれるまで

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 中国で大ヒットし、欧米でも評価されたSF小説「三体」の邦訳が7月、早川書房から発売された。発売1週間で増刷を繰り返し、日本でも大きな話題を呼んでいる。中国SF界を引っ張る著者の劉慈欣(リウツーシン)氏(56)が北京で朝日新聞のインタビューに応じた。自身の作品や東西のSFの違いをどうみるのか。SFについて語ってもらうと、日本のアニメの名前まで飛び出した。

SF小説「三体」
文化大革命で父を失った科学者・葉文潔。巨大なパラボラアンテナを備える軍事施設にスカウトされる。そこでは、ある壮大なプロジェクトが進行していた。謎のVRゲーム「三体」も登場。スケールの大きな物語が展開していく。

 ――「三体」の構想はどこから生まれたのですか。

 「三体問題」という物理学で有名な問題に関する文章を読み、驚いたのがきっかけだ。宇宙で質量を持つ三つの物質があれば、引力が相互に作用し、現在の物理学や数学では動きが予測ができない。たった三つの質点でも我々の科学では予測できないなら、ある恒星系の中で三体運動があり、そこに文明があったらどうなるかと発想した。

 ――どんな世界観を見せようとしたのでしょうか。

 最初から世界観を考えているわけではない。小説を書くとき、精力の9割は驚きがあり、独創的な面白い物語を作ることに費やす。何らかの世界観が浮かび上がるとしても、それは人によって解釈が違う。SF小説は可能性の文学だ。よいものから悪いものまで、様々な可能性を見せる。三体は宇宙文明の最もひどくて暗い可能性の一つを示した。それが世界観と言えるかもしれない。

 もう少し深く言えば、地球だろ…

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