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(13日、テニス・ウィンブルドン選手権 決勝)

 涙はない。マッチポイント、相手の打球がネットにかかると、ハレプは思わず両ひざをその場についた。信じられないといわんばかりの表情を見せ、何度もラケットを頭に抱えた。

 「緊張で試合前はおなかの調子があまり良くなかったけど、今までないぐらい最高のプレーができた」

 セリーナとの対戦成績はこれまで1勝9敗。唯一勝ったのは5年前だ。しかし「競っていた試合が多かった。これまでの敗戦から、勝つチャンスがあると学んだ。精神的に強くなっている」。倒す自信はあった。

 第1セット、最初のゲームでいきなりセリーナのサービスゲームをブレーク。勢いに乗り、4ゲームを連取するなど、一方的なペースで第1セットを奪った。

 一発で決める強打があるセリーナに、運動量で対抗した。準決勝までの走行距離は1万1781メートルで、7249メートルだったセリーナの約1・6倍を走っていた。この日も、左右に必死にコートを走りながら懸命に打球を拾い、相手のミスを誘発した。自身のアンフォーストエラー(凡ミス)は3だったのに対し、相手は26もあった。

 最後まで堅実なプレーを披露し、わずか56分で勝利。自身2度目の4大大会優勝に笑顔がはじけた。(遠田寛生)