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 17。今も台湾と外交関係を結ぶ国の数だ。1990年以降、20余りも減った。「台湾は中国の一部」との立場をとる中国は、特に近年、資金力と政治力を使って各国に強く断交を迫り、容赦なく台湾を締め付けている。

 中国の切り崩し工作は米国に近く、関係の深い中米やカリブ海諸国にも及ぶ。2017年6月にパナマ、18年5月にドミニカ共和国が相次いで台湾と断交。同年8月、追い打ちをかけるように台湾との関係を断ったのがエルサルバドルだ。

 米ホワイトハウスはこの時、「中国の介入を容認するエルサルバドルの姿勢は米国の深刻な懸念だ。関係を見直すことになる」と、異例の強さで警告した。

 南米専門のコンサルタント、ダグラス・ファラー氏によると、米大使館が事態を把握したのは、断交発表の2時間前。「米国には大きな屈辱だった」という。

 なぜエルサルバドルは米国を怒らせてまで、中国にすり寄ったのか。

 エルサルバドル東部、フォンセカ湾の入り江に面したラウニオン港。広大な敷地と海が広がり、鳥のさえずりしか聞こえない。時が止まったかのようだ。

 同港は「中米地域の物流拠点に」と、日本の円借款112億円を含む232億円を投じ08年に完工した。

 しかし、泥土の流入が激しく、大型船を接岸させるためには毎年巨額の浚渫(しゅんせつ)費用がかかることが判明。コンテナを下ろすクレーンも設置できなくなり、昨年寄港した船はわずか26隻。港はほぼ開店休業状態だ。

 台湾の呉チャオ燮(ウーチャオシエ)外交部長は断交直後、この港への支援や政権への選挙資金提供を断ったことが原因の一つだと語った。台湾の与党議員によると、港湾や周辺の開発費としてエルサルバドル政府が求めたのは約270億ドル(約3兆円)。台湾外交部の年間予算は総額8億ドル足らずで、桁違いの要求だった。

 その港に触手を伸ばしていたのが中国だった。

台湾との断交を求める中国。その資金力は、新大統領の意向をも翻させました。後半では「バランス無視」とも言える、トランプ氏の大胆な台湾への関与も紹介します。

 中国との国交樹立の1カ月前、…

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