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(14日、高校野球奈良大会 二階堂・吉野・山辺・高円4―3帝塚山)

 1点を追う九回表、無死一、二塁。吉野の大谷洋人君(3年)が打席に立った。「なんとしてもここで打つ」。アウトコース低めの直球を思い切り振り抜くと、右翼線に鋭く飛んだ。走者が2人かえり、逆転。適時三塁打となり、「期待に応えられてよかった」と胸をなで下ろした。

 ふつうなら送りバントの指示を出す場面だった。しかし、増井啓央監督はあえて「打て」とサインを送った。「絶対に打ってくれると信じていました」

 吉野に入学時、野球部員はゼロ。中学校から同じチームだった加藤紘人君に、城野海人君も加わり、3人しかいない野球部が始動した。平日は3人だけで、週末は連合チームで練習を重ねてきた。

 高校生になってから、公式戦での勝利はこの日が初めてだった。「連合を組まなかったら、この勝利は経験できなかった。一緒に組んでくれてありがとうと言いたいです」(佐藤栞)