試合前日、父と2人で「悪あがき」 つかんだ夏の初勝利

川野由起
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(14日、高校野球山形大会 東桜学館10―3鶴岡工)

 悲願だった夏の大会初勝利がかなった。東桜学館は六回に逆転されて1点を追う展開。だが七回に猛攻を見せ、最後は庄司早甫(そう)選手(3年)の3点適時三塁打でコールド勝ちを決めた。

 先発した三沢祐介投手(3年)は初回、先頭打者の内野安打から先制を許した。「最初の入りが悪かった」と振り返る。しかし味方が直後の攻撃で同点に追いついた。「緊張して縮こまっていたが、切り替えられた」と鏡海人主将(3年)。

 1点を追う七回、2者連続四球で好機を作り、打席には鏡選手。「ここで打ってくれ」とのベンチからの声に応え、外角の直球を右前にはじき返し、満塁に。次打者・大宮理綺選手(3年)の適時打で同点とし、猛攻が続いた。

 コールド勝ちを決める三塁打を放った庄司選手は、六回に逆転された後の満塁のピンチを切り抜けた三沢投手の力投に「打たなきゃと思った」と振り返る。

 試合前日には父親の聡さん(42)が自宅で練習に付き合ってくれた。中学から野球を始めた庄司選手は、聡さんからボールの投げ方など野球を基礎から教わったという。「お父さんに恩返しができた」と満面の笑みで話した。

 聡さんは「チームの一人一人が仲間を信じているように見えた。家での悪あがきもきいたかな」とうれしそうにほほえんだ。(川野由起)

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