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 参院選は政権運営のありようや政策の達成度に評価を下す機会だ。安倍晋三首相は全国各地での街頭演説で、様々な数字を示して政権の「実績」を強調している。とりわけ繰り返している数字を検証してみた。

安倍晋三首相 「この6年間、私たちの経済政策によって、働く人、雇用は380万人も増えた。年金の支え手が400万人近く増えたということ。それだけ保険料収入は増えた」(11日、大分県別府市での街頭演説で)

 ――△(一部不正確)

 総務省の労働力調査(年平均ベース)によると、企業や団体などに雇われている雇用者のうち役員を除いた働き手は、第2次安倍政権発足後の2013年から18年までの6年間で383万人増えた。「380万人増」という主張は正しい。

 ただ、増えた働き手のうち55%はパートやアルバイトなど非正規で働く人々が占める。非正規で働く人の多くは所得が少なく、不安定な生活を送っている。総務省が5年ごとに公表している就業構造基本調査によると、非正規で働く人の75%が年収200万円未満だった。この中には学生バイトや主婦のパートも含まれているが、いわゆるワーキングプアにあたる人も一定数いるとみられる。

 首相はこれまで「この国から非正規という言葉を一掃する」と何度も訴えてきたが、役員を除いた働き手に占める非正規雇用の割合は18年平均で37・9%となり、過去最高の水準になっている。

 非正規雇用が増え続ける一因には、企業が人件費を抑えようと正社員よりもパートやアルバイトを雇ってきたことがある。特に近年目立つのが、非正規で働く高齢者の増加だ。労働力調査によると、この6年間に増えた働き手383万人のうち40%は、パートやアルバイトを中心に非正規で働く65歳以上が占めている。定年後の再雇用でも、賃金など待遇面は現役時代より下がるのが一般的だ。

 加えて、1990年代後半以降、自民党政権が企業の求めに応じて派遣労働などの規制緩和を進めたことも非正規雇用の増加につながった。

 秘書や通訳など26業種に限られていた派遣業は、小渕政権下の99年、建設業や製造業などを除き原則自由になった。さらに、安倍首相が政府・与党の中枢にいた小泉政権では、04年3月に施行された改正労働者派遣法によって、派遣期間の上限は1年から3年に延び、製造業への派遣労働も解禁された。

 一方、年金の支え手である加入者数は、保険料の納付期間が終了して加入者でなくなる人と新規加入者を出し入れすると、12年度末が6736万人、17年度末が6733万人で、ほぼ横ばいだ。「年金の支え手が400万人近く増えた」かどうかははっきりしない。

 保険料収入は確かに増加傾向にある。17年度は37兆2687億円で、12年度より7兆1千億円増えた。厚生労働省は理由の一つに、国民年金に比べて保険料が高い厚生年金の加入者が増えたことを挙げる。

 年金の種類別にみると、自営業者や無職の人らが入る国民年金の加入者は12年度末から17年度末の間に449万人減り、会社員が対象の厚生年金の加入者は446万人増えている。厚労省は「厚生年金の適用拡大や、雇用状況の改善に伴う国民年金から厚生年金への移行などが影響している」と分析する。

 また、厚生年金の保険料(労使折半)を上限の18・3%まで段階的に引き上げてきたことも保険料収入の増加につながっているという。働く人が増えたことだけを保険料の収入増の理由に挙げるのは不正確だ。

 首相は演説で「4月に年金額が…

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