香港支局 益満雄一郎
「逃亡犯条例」をめぐる香港の混乱が収まらない。週末のたびにデモ隊と警察が衝突し、抗議の自殺者は4人に達した。香港紙には「香港大崩壊」との見出しも躍り、取材する私も気が休まらない日が続いている。
この混乱は、2014年に起きた民主化デモ「雨傘運動」とよく比較される。若者たちが79日間にわたって香港中心部の道路を占拠し、民主的な行政長官選挙の実現を要求した。しかし、運動は広がりを欠き、しだいに市民の支持を失っていった。
ところが今回のデモ参加者は最大で200万人近く(主催者発表)にまで広がった。雨傘運動と今回は何がどう違うのだろうか。
取材でデモ参加者を注意深く観察すると、大勢の若者に交じって、ホワイトカラーとおぼしき社会人の姿が目立った。
さらに、香港の大学で働く知人が興味深い話を聞かせてくれた。雨傘運動では、子どもがデモに参加するのを認めない親が多かったが、今回は逆だというのだ。とくに経営者や企業の幹部クラスが、わが子がデモに参加することを認める傾向があるという。
香港の企業はもともと民主化運動には冷淡だった。雨傘運動も「経済に悪影響が出る」との声で失速していった。しかし今回は、香港企業が運動を後押ししているフシがある。いったいどんな背景があるのか。
経済という言葉の語源「経世済民」には「世をおさめ、民をすくう」という意味があります。新コラム「経世彩民」では、記者が日々の取材を経て思うこと、伝えたいことを色とりどりの視点でつづっていきます。原則、毎週火曜朝に配信します。
なぞ解きのヒントは、火付け役…
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朝日新聞国際報道部