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(15日、高校野球茨城大会 常総学院11-0日立商)

 常総学院戦前夜の14日、日立商の紺野真人主将(3年)は、父・高宏さん(45)と自宅でティーバッティング練習を行った。「優勝候補の常総戦で一本でも打ちたい」。頼み込むと、父は日付が変わるころまで500球近くボールを放ってくれた。

 小学3年のとき、野球好きの父に連れられて近所の軟式少年野球団の見学に行ったのが野球との出会いだった。

 以来、グラウンドには常に父の姿があった。入団すると父はコーチになった。中学で野球部に入り、投手になると、試合の主審を買って出た。

 15日の常総学院戦。7点差をつけられて迎えた五回表、先頭打者として打席に入った。スタンドにはもちろん、高宏さんの姿がある。「最後に父の前で打ちたい」。だが、チームのため冷静に四球を選んだ。犠打などで三塁まで進塁したが、後続が断たれ、チームはコールド負けを喫した。

 野球は高校までと決めてきた。試合終了後、スタンドにあいさつをする紺野君に高宏さんは、何度もうなずきながら拍手を送った。「お疲れ様。よくやった」。二人三脚で歩む親子の夏が終わった。(佐野楓)