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(15日、高校野球愛知大会 西尾東5―2中部大春日丘)

 終盤のスコアボードに「0」が刻まれていく。延長十三回まで及んだ一戦は、互いに救援した中部大春日丘のエース泉虎之介君(3年)と、西尾東の山田紘太郎君(3年)の力投が続いた。

 両チームは昨秋、県大会の3位決定戦で延長十二回の大接戦を演じた。そのときは中部大春日丘が23―20で勝利。因縁の対決となった今回は、2人にとっても「リベンジ戦」だった。

 泉君は七回表1死一、二塁から1点のリードを背負って登板した。昨秋の試合では、4点を先制した三回途中から継投したが、チームはその回8失点。「夏は、勝たせてくれたみんなに恩返しをしたい」。この日は登板直後こそ押し出しの四球で2―2の同点を許したが、その後は持ち直して、内角を強気で攻めた。

 一方の山田君も、四回から登板。昨秋の試合では大量失点し、責任を感じていた。「今度は自分が勝ちに導く」。この日は自己最速の145キロを記録。直球とスライダーの組み合わせで11三振を奪った。

 両者譲らず、延長十三回へ。無死一、二塁から攻撃が始まるタイブレークに突入した回に、緊張や疲れから泉君の球速が落ちる。西尾東の打線は甘く入った球を逃さずとらえた。3点を勝ち越し、5―2で勝利した。

 秋に続く熱戦に、西尾東の寺沢康明監督は「大きな壁を乗り越えられた」と喜んだ。2人は整列後、抱き合って互いの健闘をたたえた。山田君は「高校に入って一番楽しい試合だった」。泉君は肩を落としながらも、「エースの役割を与えてもらって成長できた」と前を向いた。(村上友里、松永佳伸)