国際平和シンポジウム「核兵器廃絶への道~大国の暴走を許さない」は7月27日に広島市内で開かれ、約550人が参加した。映画作家・大林宣彦さん(81)と俳優・東ちづるさん(59)が対談し、戦争体験を若い世代へ伝える大切さを強調。元外務省主任分析官の佐藤優(まさる)さん(59)は核大国の指導者に対話を促そうと呼びかけ、国際社会や市民社会の役割を日米の専門家らと語り合った。
――大林監督は戦時中に広島県尾道市に生まれ、7歳で終戦を迎えました。
大林 原爆投下の2週間前、軍医だった父と一緒に広島市内にいたんです。広島県産業奨励館の丸い屋根を電車の窓から眺め、子ども心に「ああ、これが人間社会の成果だなあ」と。その文明社会の象徴は核兵器による破壊の象徴になった。原爆ドームは人生に大きな衝撃と変化をもたらし、その姿から人生の時間の経過も感じてきました。
――東さんは広島・因島の出身。平和活動につながる原点を教えてください。
東 子どものころに平和教育で原爆資料館へ行き、ホルマリン漬けのケロイドの皮膚片を見ました。語り部の方の「被爆数日後に目を覚ましたら辺りは真っ白。雪が降っているのかと思ったらウジ虫だった」という話が衝撃で眠れませんでした。「怖い、嫌だ」という思いが、ずっと消えないのが良かったんです。
広島原爆の日の8月6日は登校日でした。全国どこでもそうだと思っていたら違った。いま、戦争や平和の話を東京ですると「まじめ」「怖い」と言われる。
大林 日常的に話せるようにし…
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