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(16日、高校野球京都大会 峰山9―5京都明徳)

 6点をリードされた六回表、京都明徳は2点を返してさらに2死二塁。打席にはエースで5番打者の浦辻圭(けい)主将が入った。「流れがきている。続こう」

 1球目を振り抜くと、打球は左翼線へ。二塁打となり、走者がかえった。ベンチはわき、「ナイスバッティング!」の声がとんだ。

 この春、疲労でひじを痛めた。思うように投げられず、春の府大会はベンチ入りできなかった。その悔しさをはらす好打だった。

 投打の軸になる浦辻君は、独特のトレーニングを重ねてきた。自宅では週2回、「両手じゃんけん」をやる。右手で左手に勝ち続け、失敗したら終わり。うまくいけば5分続く。とっさのときの判断力をつける訓練で、小学5年のときにコーチに教わった。

 「野球は両手を使いこなすスポーツ。右脳と左脳を鍛えたくて」と浦辻君。劇的な効果があったかはわからないが、続けていると安心できる。大会直前にもいつものようにやった。

 公式戦の1、2週間前からは毎日、練習後にジムで2時間ほど泳ぐ。「そうすると試合でバテない」。今大会前もそれを続けた。

 ゴムチューブで腰のキレを上げたり、股関節をすばやく動かしたりするトレーニングを取り入れ、仲間にもこつを教えてきた。

 この日は最後まで投げて109球。序盤に6点を奪われたが、集中を切らさず四回から七回までは無失点で切り抜けた。四回には鋭い投直を捕り、すかさず一塁へ。飛び出していた走者もアウトにした。「投打で粘れたし、楽しかった」。自主トレで得たスタミナと判断力を生かした。(紙谷あかり)