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 第101回全国高校野球選手権三重大会(朝日新聞社、県高校野球連盟主催)は16日、3球場で1回戦8試合があった。ともに甲子園に出場した経験がある伊勢工と鈴鹿の対決は、伊勢工が逆転サヨナラ勝ちした。雨の影響で順延になり、試合が再開された15日にも1回戦8試合があり、古豪・四日市工が終盤に4点差をひっくり返して津西を下した。17日は、3球場で1回戦の残り6試合が予定されている。

 大差がついても最後まであきらめない――。20点以上の差で五回コールド負けを喫したものの、英心と青山、あけぼの学園が見せたひたむきなプレーは観客の心をぐっとつかんだ。

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 野球未経験者や助っ人が多い英心は四回までに39点を失い、なお2死満塁のピンチ。松葉和希投手(1年)はマウンド上で汗をぬぐった。内野ゴロに打ち取ると、大きな拍手が起こった。「ほっとした」が表情を変えずベンチへ走った。

 小学5年で野球を始めたが、中学ではバレーボール部に入部。高校入学後、小田義樹監督に何度も誘われ、悩んだ末に5月下旬に入部した。

 小田監督は試合前、15失点以下に抑えることを目標に掲げていた。二回の1イニングを無失点に抑えたことは、大きな自信になった。「秋までに完投できる体力をつけ、筋トレを頑張って球速も制球力も上げる」と力強く語った。

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 青山の松本光投手(2年)は6月の練習中に久故俊太監督から突然、投手を任された。打たれたり抑えたりする1球の厳しさを味わえる投手に憧れていたため、大役を引き受けた。

 周りからなんと言われようと、チームとしては30点以内に抑えるつもりだった。当初は気も楽だった松本投手は、初回にいきなり20点を奪われる。テレビ中継され、正直恥ずかしかったが、「相手に誠意を見せよう」と四球を避け、ストライクゾーンで勝負した。

 終わってみれば、30点以内の27失点にとどめた。ただ試合では悔しさも残った。だから「来年も出場してやろう」と決めている。

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 29対0で敗れたあけぼの学園。四回表、先頭打者の佐尾山征法(まさのり)主将(3年)が打席に立った。ここまで誰も出塁できていない。直球を待っていたが、カーブを空振り。振り逃げを狙って一塁へヘッドスライディングをしたが、アウトになった。

 今春まで3年生4人、2年生1人だけ。「最後の夏はなんとか単独チームで出たい」と思い、1年生の教室を訪れ、ほぼ全ての男子生徒に声をかけてまわった。その結果、4人が入部し、2年ぶりに単独出場できることになった。

 力負けはしたが、点差が開いてもあきらめずに向かっていけたと感じている。「単独チームで出場し、みんなと野球ができて楽しかった。やり切ったので悔いはない」(森直由、村井隼人)