拡大するイランのナタンズのウラン濃縮施設。新たに遠心分離機が設置された施設をアフマディネジャド大統領(当時)が訪れた。2008年4月撮影。イラン大統領府ウェブサイトから=ロイター
イラン核合意をめぐり、アメリカとイランの緊張関係がヒートアップしています。合意から一方的に離脱してイランへの制裁を再開したアメリカと、それに反発して合意の「制限破り」を小出しにするイラン。両者一歩も引かない泥仕合の様相ですが、狙いはどこにあり、これからどうなるのでしょうか。理解に役立つオススメ記事を5本、紹介します。
拡大するイラン核合意をめぐる構図
交渉で制裁を解除に持ち込み、原油収入で再び経済を立て直したいイラン。でも状況が打開できず、「合意破り」で圧力をかける以外にとれる戦略がないようです。
一方のアメリカは、できる制裁は既にやり尽くしたというのが実情。トランプ大統領の頭には、来年ある自身の大統領選がちらついている様子です。
拡大するイランの重水炉=2006年8月、AFP時事
イランの「合意破り」の中身は、第1弾が「低濃縮ウランの貯蔵量を上限以上に増やす」、第2弾が「制限されているウランの濃縮度を無制限にする」。
この合意破りでイランはすぐに核兵器を持てるようになるのか。原子力工学を専門とするエネルギー総合工学研究所の松井一秋・研究顧問に詳しく解説してもらいました。
拡大するテヘランで7日、記者会見する(右から)イランのアラグチ外務次官、ラビイー政府報道官ら=AP
イランは本当に核兵器を作りたいわけではない。合意破りはアメリカではなく、ヨーロッパへのメッセージ……。
国連でイラン制裁の専門家パネルの委員も務めた北海道大の鈴木一人教授が、イランの言動から真意を読み解きます。
拡大するホルムズ海峡付近で6月13日、2隻の石油タンカーが攻撃された。1隻から黒煙が上がった=AP
アメリカは、イランの南に位置するホルムズ海峡周辺の船舶の安全確保のためとして、有志連合の結成を目指す方針を示しました。参加国が自国の船を護衛することを想定しています。
日本は石油の約85%を中東地域に頼り、多くのタンカーがホルムズ海峡を通過します。もし、自衛隊の派遣を正式に求められたら。法的な根拠やリスクなど、日本政府が検討すべき課題は山積みです。
拡大するテヘランで2月、イスラム革命40周年を記念する集会で、トランプ米大統領の肖像を持つイラン人女性=AP
一歩も譲らず、対立を深めるイランとアメリカ。勝手に合意を離脱したのはアメリカのトランプ氏の方ですが、制裁などで徹底的にイランを追い詰めようとしています。
なぜこんなにいがみ合うのか。根っこには1980年代、イラン・イラク戦争のころにそれぞれが抱いた「被害者意識」があるようです。(今さら聞けない世界)
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朝日新聞国際報道部