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 (16日、高校野球岩手大会 大船渡14―0遠野緑峰)

 最速163キロを誇る佐々木朗希(ろうき)を擁する大船渡が、岩手大会の初戦に臨んだ。先発マウンドに上がったエースのテーマは明確だった。「いかに少ない球数で抑えるか」。最終学年で迎えたこの夏、甲子園に出場するためには、この日を含め9日間で計6試合に勝たなければいけないからだ。

 一回、自らの右越え適時三塁打などで3点を先行した後、力みのないフォームで腕を振った。3球で打者2人を退けると、3番打者を空振り三振に仕留めた1球は147キロと表示される。これが、この試合の最速だ。三回の打席で代打を告げられたため、この日は2回を投げ、無安打無失点、2奪三振。全19球のうち、ボールは6球しかなかった。

 4月に高校野球史上最速となる163キロを計測し、一気に注目度が増した。佐々木が、公式戦に登板するのは5月3日の春の県大会沿岸南地区予選以来。この日、会場の花巻球場はちょっとしたフィーバーとなった。試合開始の予定時間は午前11時半だったにもかかわらず、午前7時半には約100人が並んだため、開門が30分早められた。内野スタンドはびっしりと埋まり、試合途中には外野も開放された。

 「すごく楽しくわくわくするプレーができた。目の前の試合をしっかり戦って、みんなであと5勝できたらと思う」。上々のスタートを切った佐々木の柔らかな表情には、充実感が漂った。(竹田竜世)