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(17日、高校野球京都大会 龍谷大平安6―5西城陽)

 西城陽の先発は1年の井上周汰君。四回裏、四球で出した走者を三塁に進められたが、最後は遊ゴロ。無失点で切り抜け、笑顔でベンチに走った。エースで兄の紘汰君(3年)が「ナイスピッチング!」と声をかけた。

 失策がらみで2点を奪われたが、許した安打はわずか1。周汰君は「今までで一番いい内容だった」と振り返った。スタミナと重圧を意識して四回までの登板と決めており、予定通りの継投策だった。

 先発を任されることが決まったのは2日前。元プロ野球投手の染田(そめだ)賢作監督は、調子がよく気持ちの強い周汰君を指名した。監督は「兄はスライダーのキレがよくてクール。弟は球種が多く精神面が強い」と評価する。

 兄弟は小学生のときに野球を始めた。弟は私立高校からも声がかかっていたが、兄のいる西城陽を選んだ。「兄があかんときは自分が頑張る。自分があかんときは兄がカバーしてくれる」と周汰君。投手として支え合ってきた。

 8日の田辺との初戦は兄が先発し、4失点。間に1人挟んで六回から弟が投げ、4イニングを無失点に抑えてみせた。チームは7―4で逆転勝ちした。

 16日の夕食時、周汰君は「相手が龍谷大平安でも負ける気はないから」と伝え、兄は「先発がんばれよ。おれも準備して待っているから」と励ました。後ろに兄も控えているし、思い切りいこうと思った。

 試合後、「兄と一緒にベンチに入れてうれしかった。『支えてくれてありがとう』と伝えたい」と言葉を絞り出した。(紙谷あかり)