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 米国とイランの緊張が高まる中東・ホルムズ海峡のイラン領海内で、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイを出港したパナマ船籍の小型石油タンカーが13日夜から消息を絶ったと、AP通信などが16日報じた。イランが拿捕(だほ)した可能性があるとの見方も出ていたが、イラン外務省の報道官は同日、「技術的な故障を抱えたタンカーを救出した」と強調。イラン当局が救難要請を受けて救出作業をしたと明らかにした。

 AP通信などによると、タンカーが13日夜にイラン領海に入ったところで、船の位置を知らせる船舶自動識別装置(AIS)の情報が途絶え、行方不明になったという。米当局者が「(イランに)疑いがある」と語ったなどと、同通信は伝えていた。

 だが、イラン外務省のムサビ報道官は16日、イラン学生通信に対し「ペルシャ湾上で技術的な故障を抱えた国際船舶からの救助要請を受けて、イラン当局が現地に向かい、タグボートを使ってイラン領海に誘導した」と説明。「国際的な規制にのっとった措置で、修理が行われている」と語り、海難事故であるとの立場を示した。

 世界のエネルギー輸送の生命線であるホルムズ海峡周辺では、米国とイランの対立が先鋭化。6月には日本の海運会社が運航するタンカーなどへの攻撃や、イランの精鋭部隊・革命防衛隊による米海軍の無人偵察機撃墜事件などが相次ぎ、緊張が高まっていた。(テヘラン=杉崎慎弥