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 鹿児島大会は17日、3回戦6試合があった。シードの神村学園と鹿児島城西が4回戦進出を決めた。鹿児島は古仁屋にコールド勝ちし、鹿児島玉龍と川内も投手が好投し、相手を完封した。大島は接戦の末、九回の集中打で志布志を下した。

選手の体づくり、支え続けた 隼人工マネジャー・御所真乃茄さん

 強打の神村学園戦。隼人工のベンチで、ただ一人のマネジャー御所真乃茄(まのか)さん(3年)は走者が目まぐるしく進塁する展開に、修正テープでスコアを何度も直した。6回コールド負け。相手校の校歌が響くと唇をかみ、涙をこらえた。

 野球は未経験だったが、野球好きの父や兄の影響で野球部のマネジャーに憧れた。遠征が多いため母に心配され、もう1人同級生を誘うという条件で入部を許してもらえた。先輩マネジャーもおらず、練習試合の相手校のマネジャーらからスコアのつけ方を学んだ。

 3年間、続けたことがある。約30人の部員が朝練の後に食べる米を炊くことだ。その量は部員1人当たり2合。自宅から各自持参した米を、夕方の練習時、学校の実習室に並ぶ一升(10合)炊きの炊飯器6台に翌朝炊きあがるようセットする。もっと体が大きくなってと願いながら。

 強豪校に負けない体格をつくるため、森山健士監督が就任してから7年ほど続ける習慣。「選手の体つきが大きく変わる」と森山監督。坂元悠友(ひゆう)主将(3年)は3年間で約10キロ体重がふえたという。

 部員たちは朝練習が終わった後、プロテイン入りのふりかけや生卵をかけて白米をほおばる。

 昨夏ごろ、1年半一緒だった同級生マネジャーが退部した。以来1人で米を炊いた。一番つらかったのは冬場に冷たい水で米をといだこと。夏に気をつけたことは食中毒。食事後に部員が洗った皿をこっそり洗い直したこともある。「しっかり洗えてるか心配で」

 最後に炊いたのは2日前の15日の練習中。3年分の思いを込めた。

 「世界で誰よりもお米を炊いたんじゃないかな」。試合後、部員や保護者から集合写真の真ん中に呼ばれた。体格のいい部員たちに囲まれ、きゃしゃな体に笑顔がはじけた。(小瀬康太郎)