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 埼玉県川口市立中学校でいじめが原因で元生徒(16)が不登校になった問題で、文部科学省や県教育委員会が市教委に行った指導などが昨年2月初旬までに計55回に及んでいたことがわかった。再三にわたる指導にもかかわらず、市教委の対応が是正されなかった実態が明らかになった。

 元生徒が市に500万円の慰謝料を求めた訴訟の第5回口頭弁論が17日にさいたま地裁であり、そこで明らかになった。元生徒側が、文科省や県教委に市教委を指導した実態について聞き、一覧表にして証拠として提出した。

 一覧表は、元生徒が2年生だった2016年10月24日から卒業直前の昨年2月6日まで。文科省児童生徒課は県教委生徒指導課を通じて、県教委はさらに独自にも市教委に計55回、とるべき対応を指導するなどした。17年1月と9月、18年1月には、文科省が市教委や校長を呼び、聞き取り調査と指導を直接行う異例の対応もしている。

 文科省は、いじめ防止対策支援法に基づく対応を市教委に終始求め、休み時間の見守り態勢の徹底や保護者会開催など多岐にわたっていた。「今までの反省をすることが大事」と、毎日家庭訪問して元生徒側と信頼関係を築くことも市教委に求めていた。進まない対応に「市教委の同法の理解が間違っているのではないか。論外だ」と頭を抱えている状況もうかがえる。

 元生徒側は「昨年2月以降の指導も追加し、市教委の実態をさらに明らかにする」としている。(堤恭太)