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 第101回全国高校野球選手権東・西東京大会(東京都高校野球連盟、朝日新聞社主催)は17日、計23試合があった。

 東大会では、3年連続の夏の甲子園を目指したシード校の二松学舎大付が、修徳に惜敗し、初戦で姿を消した。同じくシード校の小松川も王子総合に初戦で敗れた。昨秋の都大会ベスト8の岩倉は、朋優学院と延長十二回を戦い、サヨナラで4回戦進出を決めた。

 西大会では、早稲田実が小平西に零封勝ちして初戦突破。日大鶴ケ丘―日大二の「日大対決」は、昨夏準優勝の日大鶴ケ丘が制して5回戦へ進んだ。

エース海老原「球は走っていた。力負けした」

 試合が動いたのは三回裏だった。二松学舎大付のエース海老原凪(なぎ)(3年)が内角に投げた直球が少しだけ甘く入った。修徳の打球は左翼席に飛び込んだ。「球は走っていた。力負けした」。この2点本塁打に東東京大会3連覇の夢が打ち砕かれた。

 1年夏からベンチ入りした。昨夏の甲子園では先発もした。秋には背番号「1」を与えられ、東東京大会としては負け知らずのまま3回目に臨もうとしていた矢先だった。市原勝人監督から叱られた。

 「3連覇で甲子園に行けると慢心している」

 心の内は違った。エースに指名されてから、都大会の優勝はない。春は自らのミスもあり負けた。それでも使い続けてくれる申し訳なさで、監督と向き合えない。弱い気持ちを見透かされたか、監督に呼ばれた。

 「お前にはたくさんの経験があるんだぞ。先輩たちも経験して変わっていった。もっと自信を持て」

 夏の甲子園に出た先輩たちはもういない。自らが変わった姿を監督に見てもらおうと誓った。「決め球の切れと制球力を上げよう。粘りの投球をしよう」といっそう走り込んだ。

 この日、後半になっても球威は落ちなかった。六回裏のピンチでも4番打者に直球勝負を挑んだ。相手のひざ元を何度もつき、見逃し三振に仕留めた。本塁打を除けば、修徳打線を3安打に抑えた。

 厳しく向き合ってくれた監督との「最後の試合」がいきなり訪れた。海老原は「甲子園に連れて行くという恩返しができなかった」とうつむいた。だが、監督は違った。「最後まで粘り強く投げた」とほめた。

 さらに、高校野球を卒業する3年生に向けて言葉を添えた。「たくさんいい思いをしてきた。この負けには意味があると受け止めてほしい」(山田知英)