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 手足口病の子どもの患者が、ここ10年で最多のペースで増えています。自宅で看病する際や、保育園などへの登園を再開させるとき、どんなことに気をつけたらいいでしょうか。専門家によると、手足の発疹が残っていても登園は可能な場合もあるのだそうです。

 手足口病は、ウイルスが原因となる感染症。3~5日の潜伏期の後に、口の中や手のひら、足の裏などに2~3ミリの水ぶくれのような発疹ができる。38度くらいまでの軽い発熱を伴うこともある。

 ワクチンはなく、かかったら対症療法か、自然に治るのを待つしかない。原因となるウイルスは複数あり、一度かかったことのある人や大人でもかかる可能性がある。

 国立感染症研究所が発表した直近(7月1~7日)の全国の1医療機関あたりの平均小児患者数は9・79人で、前回流行した2017年の約1・7倍で、36都府県で警報レベルだ。都道府県別では福井、石川、香川などで特に目立つ。

 東京都内のクリニックで診察する小児科医の森戸やすみさんのもとにも、手足口病の子どもが多く訪れている。「基本的には1~2日の軽い発熱で治まるが、口の中の発疹が痛くて食欲がなくなる子もいる」と森戸さんは話す。

 食欲がない時は、刺激の少ないものや、のみ込みやすいものを与え、水分が不足しないように注意する。痛みがつらそうな時は痛み止めを処方してもらうと良いという。

 通常、発疹は数日程度で消えるが、数週間してから爪がはがれるケースもある。まれに髄膜炎や脳炎などを引き起こすこともあり、頭痛や嘔吐(おうと)などの症状には注意が必要だ。

 家族への感染を予防するにはどうしたらいいのか。手足口病は、せきやくしゃみで飛び散る唾液(だえき)や、便などに含まれるウイルスによってうつる。そこで、手洗いを徹底する、タオルの共用を避けることが大切だ。ペーパータオルも有効だという。

 症状が治まった後でも、数週間以上、便などからウイルスが排出されている。オムツを交換する際にも注意が必要だ。

 保育園などを休んでいた場合、いつ登園を再開すればよいのだろう。子ども同士の接触が多い保育園などでは、集団感染が起こりやすい。地域や園によっては、診断後、登園するには医師が記入した登園許可書などが必要な場合もある。厚生労働省が定める「保育所における感染症対策ガイドライン」は、登園のめやすとして、熱が下がり、発疹の影響がなく食事が取れることを挙げている。

 森戸さんは「熱がなく食欲があれば、手足の発疹が残っていても登園は可能なことが多いので、医師に相談しましょう。食欲が落ちた子は、ふだんの半分以上は食べられるようになってからにしましょう」と話す。(松本千聖、三上元)