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(17日、高校野球宮城大会 築館13―9柴田農林)

 6点のリードをひっくり返された直後の八回裏、築館は同点に追いつき、なお2死満塁。相手投手が交代する間に、打席に向かう川田晴人君(2年)へ一塁コーチの沢口翔主将(3年)が駆け寄った。

 「ここで打ったらテレビに映るぞ」

 主将が用意していた思いがけない言葉に、まじめな性格の川田君の緊張が解けた。とにかく1本を打とうと決め、5球目、得意の内角に来た直球を捉えた。今まで感じたことがない軽い感触に「引っ張りすぎた。ファウルだ」。だが、ライナー性の打球は左翼ポールぎりぎりに飛び込んだ。

 内角打ちの技術力と肩の強さを買われ、今春に三塁手から正捕手に。捕手だった沢口君と入れ替わった。練習では、いつも2人で配球の改善策などを話し合ってきた。

 高校初の本塁打は、決勝の満塁本塁打になった。右拳を突き上げてダイヤモンドを1周し、「川田、ありがとう!」と叫ぶ先輩たちからハイタッチで祝福を受けた。チームは4年ぶりに初戦突破。「控えの3年生の分も背負って出ているので、打ててよかった。ミラクルです」(大宮慎次朗)