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(17日、高校野球京都大会 龍谷大平安6―5西城陽)

 5―5で迎えた延長十回裏1死一、二塁。龍谷大平安の8番打者の長畑海飛(かいと)君が打席に立った。「次打者は投手の野沢(秀伍(しゅうご)君)。自分で絶対に決める」

 6球目。インコース低めの直球を振り抜くと、打球は左翼手の頭を越えた。二塁走者の半保(はんぽ)和貴君が本塁を走り抜け、ガッツポーズ。サヨナラ勝ちに、ベンチの仲間たちは「よっしゃー」とほえ、飛び出してきた。長畑君は水谷祥平(しょうへい)主将と抱き合った。

 1点を追う九回裏1死二塁、水谷君が打席に立った。泣いているのを長畑君は見ていた。「祥平、頼むぞー」と声をかけても返事がなかった。試合中の涙を見るのは初めてだった。水谷君は右前安打を放ち、土壇場で追いついた。

 サヨナラ安打の打席に立つ前、水谷君は長畑君に声をかけた。「ヒーローになってこい。打ったら俺が抱きつきに行くから」。その約束が果たされた。(高井里佳子)