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 最低賃金の今年度の引き上げ額の「目安」が厚生労働省の有識者会議で示されました。東京都と神奈川県の時給は初めて1千円台に乗る一方、17県は700円台にとどまる見込みで、地域間の格差は広がりそうです。こうした現状について、最低賃金の制度に詳しい立教大の神吉(かんき)知郁子(ちかこ)准教授(労働法)と考えました。

――労使の代表と大学教授でつくる厚労省の有識者会議が7月末に示した「目安」通りならば、引き上げ率は例年並みとなる一方、全国加重平均は901円に届きます。

 「今回の目安の引き上げ率は3.09%。3%台の引き上げが続いてきた過去3年の実績の延長線上で落としどころを探った印象だ。『3%以上の引き上げ』と『平均900円以上』の二つのメルクマールの達成ありきの結果のようにも見える。意外性はなかった」

――東京都と神奈川県の最低賃金が初めて1千円を超える一方、目安通りならば、トップの東京都と最下位の鹿児島県の金額差は2円拡大し、226円となる見込みです。

 「都市部と地方の最低賃金の格差は開く一方だ。格差を縮小するには、東京など都市部の伸びを抑える一方で、地方をそれ以上に伸ばすしかない。ただ、地方をどこまで引き上げるかについての手がかりとなる数字がないなか、そこまで踏み込むつもりがあるのか。今回の目安の決定からは、そこは見えてはこなかった」

――安倍政権は「年3%の引き上げ」を通じて「全国加重平均1千円」を早期に達成するという目標を掲げています。

 「政権の数値目標が、近年の大幅な引き上げを後押ししているのは間違いない。ただ、全国加重平均は、働く人の数に応じて地域を重みづけして算出するもの。このままのペースとやり方で『加重平均1千円』を達成するころには、東京都の最低賃金は1千円をはるかに上回る一方、地方との格差はさらに拡大しているだろう」

――都道府県ごとに最低賃金に差が付く現状には批判的ですね。

 「先進国では、働く地域を理由…

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