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(17日、高校野球大分大会 中津東5―2臼杵)

 「3ボールからでも好きな球が来れば打ってやる」。六回表1死一塁、臼杵の四番打者、見良津柊汰(しゅうた)君(3年)が打席に立った。ここまでの打席は遊ゴロと三振だけに気合が入った。思い切って振り抜いた高めの球は中前に落ち、好機が広がった。

 だが、一塁上ではまだ硬い顔。2死後、黒枝元哉君(3年)の二塁打で一気に本塁を踏むと、ようやく満面の笑みを浮かべた。「チームでつないでやっと点が取れたのがうれしかった」。八回には2本目の安打を放った。

 エース伊達雅翔君(3年)が三回で交代する苦しい展開の中、捕手として計4投手をリード。それぞれの特長を覚え込んでおり、「どの投手でもうまくリードできる自信があった」と競り合いを演出した。

 八回裏、追加点を取られ、なお1死満塁。右翼を守っていた伊達君が再びマウンドに上がる。「信じちょんぞ」と声をかけると、「おう」と笑顔で返ってきた。三振と遊ゴロでピンチを切り抜けた。

 「ピンチなんだけど、(伊達君との)アイコンタクトが楽しかった」。中学の時からバッテリーを組んできた2人の、高校野球最後のプレーだった。(寿柳君)