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(17日、高校野球和歌山大会 南部6―1新翔)

 「運動量」はチーム随一だったかもしれない。17日の和歌山大会2回戦。部員10人で南部に1―6と善戦した新翔(しんしょう)を支えた、背番号「10」の中本嵐(らん)だ。

 身長158センチ、体重75キロの1年生。攻撃時は一塁コーチに出て、チェンジになれば、守備についた外野手とキャッチボール。捕手の準備が遅いと、プロテクターとマスクをつけて投手の練習相手も務める。「きつくはありません。先輩たちに勝って欲しかったので」

 守備時は三塁ベンチの最前列に立って仲間を激励し、ピンチになれば伝令に走る。「最後の1カ月はほぼ試合に出ず、献身的にチームを支えてくれた」と柴田奈緒也部長は言う。

 現3年3人、現2年3人になった昨秋、堀木雅之監督が選手に目標を聞くと、「1勝したい」と答えた。「だから少人数でも厳しく練習してきた」。春季県大会は初戦の2回戦で0―10で6回コールド負けしたが、夏は無失策で、春季県大会ベスト8の南部に食らいついた。

 試合後も率先して荷物を片付けた中本は、和歌山球児のあこがれである県営紀三井寺球場のグラウンドに初めて立った。「うれしかったけど、勝ちたかったです」と涙をぬぐった。

 新チームは2年生3人、1年生4人の計7人。一塁手として正選手を目指すが、連合チームを組めるかどうかなど、不透明な部分は多い。「短い間だけど、先輩たちと一緒に野球ができて、うれしかった。次は自分たちが1勝できるよう、みんなで頑張りたい」(編集委員・安藤嘉浩