[PR]

(17日、高校野球兵庫大会 加古川西4―2報徳学園)

 1―1の同点で迎えた五回表、1死二塁の場面。「チームが打てない中、流れを変えてやる」。報徳学園のエース、林直人(3年)は強い気持ちで2番手としてマウンドに上がった。加古川西の次打者を打ち取ったが、続く打者への4球目が暴投に。「力みすぎて、球が手から離れなかった」。二塁から走者が生還し、リードを許した。

 七回表には無死一、二塁と、再びピンチに。内野陣が足早にマウンドに集まった。「ここで切れば流れが来る」。声を掛け合った。ただ、その後2死二、三塁の場面で、低めを狙って投げた直球を中前にはじき返された。2点を失ったが、「まだ攻撃のチャンスはある」とチームを信じて投げ続けた。

 報徳学園は昨夏の東兵庫大会を制し、林は甲子園のマウンドにも立った。「先輩たちに甲子園に連れて行ってもらった。自分たちも後輩たちを甲子園に」と練習に励んできた。

 チームは昨秋の近畿大会でベスト8の成績を残したが、春季大会は地区大会で市尼崎に敗れ、県大会に出られなかった。その試合で先発した林は力不足を感じ、大角健二監督(39)に相談することもあった。

 「エースとして絶対にチームを甲子園に導く」との思いで臨んだ夏。この日、チームは2―4で敗れた。試合後、涙が止まらなかった。「後輩たちには甲子園を目指し、大角監督を男にしてもらいたい」と思いを後輩たちに託した。(太田康夫、武田遼)