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(17日、高校野球岩手大会 一関学院4―2盛岡一)

 「行けー!」。2点のリードを追う九回2死一塁の状況で、盛岡一の記録員、鮫ノ口航太君(3年)は叫んだ。打席には3月まで一緒にプレーしていた中村幹太選手(3年)。まだみんなと過ごしたい――。思いが通じたのか、中村選手は左翼線に安打を放った。

 好守でチームを引っ張ってきた鮫ノ口君は3月末、練習中に右足に違和感を覚えた。軟骨がはがれていた。手術を受けたが「夏は間に合わない」と宣告された。「甲子園へは行けないのか」。悔しかった。

 手術後、48時間の絶対安静の間、ひとりで考えた。選手でなくてもチームに貢献できることはないか。記録員として夏の大会に臨むことを決意した。元内野手として、対戦相手の分析や助言を通してチームに貢献してきた。

 試合に敗れ、鮫ノ口君は声を上げて泣いた。「仲間と一緒に全力で野球ができてよかった」(御船紗子)