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 積極的な走塁で相手を揺さぶる「機動破壊」で全国にその名を知らしめた健大高崎(群馬)が今夏、2005年以来14年ぶりに全国高校野球選手権群馬大会初戦で姿を消した。7―9で敗れた高崎商大付戦では盗塁ゼロ。今春の県大会でも5試合で7盗塁と多くはなかった。看板を変えたのか。それが敗因だったのか。

 11年夏の群馬大会で、6試合28盗塁の当時の大会新記録で初優勝。翌年春の選抜大会では4強入り。そして14年、「機動破壊」のキャッチフレーズは全国区になった。群馬大会で大会記録を塗り替える35盗塁。高橋光成投手(現西武)を擁した前年夏の全国覇者・前橋育英を3回戦で下し、2度目の夏の全国切符をつかんだ。甲子園でも利府(宮城)戦で11盗塁を決めるなど計4試合で26盗塁。8強入りした。盗塁で走者を進めるだけでなく、走者を意識させて投手に圧力をかける野球が注目され、独特な校歌とともに一気に知名度を上げた。翌年夏も甲子園で2勝した。

 だが、ここ3年は群馬大会決勝で前橋育英に敗れるなど、思うような結果を出せていなかった。さらに今年は走力のある選手が限られ、走塁指導やデータ分析を担当してきたコーチ2人もチームを離れた。

 青柳博文監督は「機動破壊はうちの伝統で今も旗印」と言う一方、「伝統を受け継ぎつつ進化する必要があった」と語る。「今年のチームは大量得点が望めない。投手が失点を抑えて勝ち抜くイメージだった」

 高崎商大付戦でも3犠打を決め、確実な得点を狙った。弱点だった打線は本塁打1本、二塁打6本と、数字の上では打ち負けていなかった。ところが、誤算は安定感があったはずの投手陣。予定通りの継投も、次々打ち込まれて9失点。記録に表れない守りのミスも目立った。「独特な夏の雰囲気の中で、本来の力を発揮する難しさを痛感した」と振り返る。

 「実績はなかったものと考えて、走攻守でバランスのとれたチームを一からつくる」と青柳監督。帽子のデザインも創部時のものに戻す予定で、「原点回帰」を期す。新チームは敗戦当日から始動。秋の県大会や関東大会、その先の選抜大会を見据える。(森岡航平)