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(18日、高校野球千葉大会 検見川10―4市銚子)

 2人はずっと一緒だった。市銚子の吉本直生君(3年)と森光佑輔君(同)。甲子園へ向かう夢路の終わりも一緒に迎えた。

 2点差を追う六回表。1死一、三塁で6番・吉本君に打席が回ってきた。「直生なら絶対に打ってくれる」とベンチで森光君は思った。打球は一、二塁間を抜け、適時打に。1点差に詰め寄り、ベンチはわき上がった。

 「一緒に野球やらない?」。吉本君が森光君を地域の野球クラブに誘ったのは小学3年のとき。幼なじみで、よく公園でキャッチボールをした。練習は厳しかったが、「直生と一緒にいれば楽しかった」と森光君。2人は市銚子でも一緒だった。ただ今夏、吉本君はレギュラーだが、森光君は控えの内野手。「なんで俺は」と、森光君は自分にいらだつことも多かった。

 それでも通学の電車で、休みの日にゲームをする時、2人は一緒だった。練習後の自主練習でも互いに遅くまでティー打撃をした。「お前ならいつかチャンスが来る」と吉本君。来栖真吾監督は「2人がチームの盛り上げ役になってくれた」。「2人に何度も助けられた」と向後泰雅主将(3年)も話す。

 八回の守備につく直前。ベンチから森光君は右翼の吉本君に駆け寄り、キャッチボールをした。「これで最後になるかもしれないから」。2人で公園で始めたキャッチボールを思い出しながら、一球一球をかみしめた。(福冨旅史)