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 虐待などの理由で児童相談所(児相)に保護された子どもたちが最初に身を寄せる「一時保護所」について、東京都の第三者委員が、子どもを管理するルールを「過剰な規制で人権侵害にあたる」と指摘していたことが、朝日新聞が入手した資料でわかった。一方で、定員超過や職員不足が運営に悪影響を及ぼしていることにも言及している。

 3月末に都に提出された意見書を、情報公開請求で入手した。一時保護所は児相が運営し、被虐待児や非行などの子を24時間受け入れ、保護する施設。所内での子どもたちの処遇をめぐっては、各地で問題が指摘されているが、第三者の立ち入りが極めて難しいため、具体的な問題点が明らかになることはこれまでほとんどなかった。

 意見書は、一時保護所によって実情は少しずつ異なるものの、私語禁止や会話を制約するなどのルールを課すほか、子ども同士が目を合わせることまで禁じる指導をしているところがあると指摘。職員は個人情報を話すことを制限しているだけだなどと説明しているが、「どのルールも管理思考で、子どもの人権擁護の視点に欠ける」と指摘した。

 また、ルールを守れない子どもに対して、壁に向かって食事をする▽廊下についたてを立ててその中で辞書を書き写す▽体育館の中やグラウンドを何周も走る――などが強いられている状況も報告。「ルール違反に対する指導の名の下に罰を与えているとしか言えない」「本来は内省を深める目的の個別処遇が、罰になっていないかも再検討を要する」などとした。

 子どもの権利に詳しい川村百合弁護士は「自治体によってはよい処遇をしようとしている所もあるが、東京だけの問題ではない。全国共通の課題と考えるべきだ」と指摘する。(編集委員・大久保真紀

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 〈一時保護所〉 虐待や非行などの理由で保護が必要と児童相談所長か都道府県知事が判断した子どもたちが最初に生活する場所。各都道府県に最低1カ所あり、全国には2018年10月時点で計137カ所ある。東京都内の7カ所の17年度の総定員は213人。新規入所者は2107人で、全国の一時保護所入所者数の1割弱を占めた。児相は一時保護の間に子どもの心身の状態や家庭環境などを調べ、家庭に帰せないと判断した場合は児童養護施設に入所させたり、里親に委託したりする。一時保護の期間は原則2カ月までで、全国の平均在所日数は約30日。その間は、原則として学校に通えない。