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 親が育てられない子どもを匿名で預かる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を運営する慈恵病院(熊本市西区)の蓮田健・副院長が18日、6月に視察した南アフリカで運営されている同様の施設の現状を報告した。

 蓮田副院長は先月16日~21日に南アフリカのヨハネスブルクにある児童救済施設などを視察。赤ちゃんを預ける母親らが「ベビーボックス」のドアを開けると、勤務中の介護職員や運営者の携帯電話のアラームが鳴り、赤ちゃんの安全を直ちに守る手段がとられていたという。

 同国では1999年に初のベビーボックスが教会に設置された。「子どもの出自を知る権利が奪われる」とする否定派、「子どもには生きる権利がある」とする肯定派と、それぞれ意見があることなども紹介。また、ベビーボックスの設置を法律で認めるよう求める活動や、「匿名出産法」の制定に向けて弁護士らが取り組んでいる事例も報告された。

 蓮田副院長は「常に議論となる『出自を知る権利』だが、赤ちゃんの遺棄・殺人が相次ぐ最悪の状況にある南アフリカでは出自と言っている場合ではない。究極のところを知りたいと考え、南アフリカを視察した」と話した。(白石昌幸)