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(18日、高校野球宮城大会 東北生文大7―0気仙沼)

 右翼線上に飛んだ打球をランニングキャッチした。四回裏、相手を三者凡退に抑えると、気仙沼の二塁手、照井翼君(3年)はベンチに全力で走って戻り、満面の笑みで仲間と抱き合った。

 入部して間もない1年生の5月の練習試合で、走者のときに転んで右肩を脱臼してしまった。手術をしたが、全治7カ月の大けがで、好きな野球ができない。夏の大会後、チームに何の力にもなれない自分に嫌気が差し、マネジャーへの転向を申し出た。

 でも仲間たちは「一緒に野球を続けよう」と言ってくれた。練習を再開できたのは1年生の冬。2年生の夏はベンチ入りできず、秋も控えに。長根彰範監督は「人一倍、練習する子だったので、いつか追いついて来ると信じていた」。

 今春、やっとレギュラーをつかんだ。この試合、「いつもより体が動いた」と守備では軽快な動きを再三見せてチームを助けたが、打撃は3三振で終わった。「後輩の打者ががんばってくれたのに、ふがいない。でも仲間たちが支えてくれたから、今の自分がいる」。悔しさと感謝がこみ上げ、試合後、涙はとまらなかった。(岡本進)