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 長引くせきやたん、発熱などが特徴の「非結核性抗酸菌(NTM)症」を起こす病原菌について、DNAから正確に見分ける方法を、大阪大学のチームが開発した。NTMは種によって薬の効きやすさが異なり、適切な治療につながるという。

 NTMは結核菌の仲間で、身近な水場や土壌にもいる。人から人へは感染しないとされる。およそ200種が知られ、NTM症を起こすと確認されているのは約140種。細菌の種や亜種によって効果がある薬が違うが、亜種を見分けるのは難しかった。

 チームは細菌の遺伝子配列を読み、175種について、亜種まで網羅したデータベースをつくった。従来のデータベースで同定できるのは32種だった。今回のデータベースを使うと、これまでの方法ではできなかった細菌の特定も、可能になったという。

 NTM症は2014年時点の調査で10万人あたり14・7人と、7年前と比べて罹患率が2・6倍になったという報告があり、急激に増えている。大阪大学微生物病研究所の中村昇太特任准教授(生命情報科学)は「相手(菌種)がわからないままだと、薬が効かなかったら切り替えなければならず、投薬計画を立てるのが難しかった。実際に病院内の検査室で検査する環境が整えば、患者の治療に使うことができる」と話している。

 成果は英科学誌「Emerging Microbes&Infections」(https://doi.org/10.1080/22221751.2019.1637702別ウインドウで開きます)に掲載された。(杉浦奈実)