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 第101回全国高校野球選手権東・西東京大会(東京都高校野球連盟、朝日新聞社主催)は19日、梅雨の晴れ間がのぞく中、東大会の4回戦8試合があり、16強が出そろった。西大会は予備日で試合はなかった。

 シード校の雪谷は終盤、日大豊山に逆転を許し、敗退した。同じくシード校の帝京は、江戸川との投手戦を七回の2点本塁打で決した。修徳は錦城学園に逆転勝ちして5回戦に進出した。

 20日は東西合わせて12試合があり、東大会は8強が出そろう。

チームの要 直球で好投 錦城学園 山田宗樹投手

 「まっすぐだ」

 錦城学園のエース山田宗樹(3年)は2年生捕手のサインにうなずいた。

 「サイン通りに投げるから自信を持って出してくれ」と事前に伝えてはいたが、この時の投げたい球は後輩と一致していた。捕手は外角低めに構えた。

 七回裏、1点差に迫られてなお2死満塁のピンチだった。その直球が真ん中に寄る。振り抜かれた打球は右中間を破り、走者一掃の二塁打に。逆転された。

 身長166センチ、体重61キロで、足が速く、相手の守備に応じた打撃や走塁のできる内野手だった。中学時代に投手経験があり、5月の練習試合で登板したのが転機となった。140キロの直球を軸に好投した。玉木信雄監督から急きょ、背番号1を言い渡された。

 1年秋からスタメンで、現チームで副主将になった。就任後に臨んだ昨秋の都大会で1回戦敗退し、昨夏16強までいった先輩たちの大変さを初めて知った。「チームを引っ張る役目があると感じた」

 チームのテーマは「積極的な走塁」だ。球種を予想し、球筋を意識して狙う。野手の動きに注意して仕掛ける。練習で気づいたこと、新たに知ったことを野球ノートに書き込んだ。副主将として、もっと野球を深く知ろうと心がけた。

 この試合でもテーマを実践した。1番打者として初回に安打で出塁すると、すかさず盗塁を決めた。犠打と内野ゴロで本塁に返って先取点を奪った。投球も二~六回に出塁を許したのは四球だけ。140球を投げて、打たれた安打は4本だけだった。

 チームは八回表に1点を返したが、追いつけなかった。シーソーゲームの緊迫した試合展開に、玉木監督は「エースにふさわしい投球だった」とマウンドでの奮闘を評価した。山田は「もっと長い夏にしたかった。悔しさは後輩に引き継ぎたい」。唇をかんだ。=神宮(山田知英)