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(19日、高校野球東東京大会 堀越15―2淑徳巣鴨)

 考えもしなかった大量点を失い、コールドで夏が終わった。整列を終えると淑徳巣鴨のエース荒井樹(3年)は泣き崩れた。「せっかく……みんなで……」。言葉が続かなかった。

 一回表に1点を失ったが、直後に自らの中前適時打で勝ち越し、1度は流れをつかみかけた。だが、ドタバタと失点を重ねてしまった。丁寧に投げようと思っても、球がいうことを聞いてくれない。高めに浮き、痛打を浴びた。三回に2点、四回にも2点、五回に3点……。六回のマウンドに荒井はいなかった。

 ベンチ入り20人のうち、1年生が12人を占める。そんな若いチームを、女子マネジャー2人を合わせて荒井ら6人の3年生部員が引っ張ってきた。学校創立100周年の今年、2007年の創部以来で歴代最高となるベスト16を目指していた。だが、壁は厚かった。

 「自分のミスで」「自分がふがいなくて」「みんなに申し訳なくて」――。試合後も自分を責め続けた。

 そんなエースの背中を、少し離れたところから影山琢監督が見つめていた。小さく一つうなずき、つぶやいた。「彼には感謝しかありません。ナイスピッチングですよ」=江戸川区(抜井規泰)