【動画】「京都アニメーション」の広報担当者がコメントを読み上げた=小山琢撮影
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 京都市伏見区のアニメ制作会社「京都アニメーション」のスタジオが放火され、爆発炎上した事件で、遺体で見つかった33人のうち28人が一酸化炭素(CO)中毒の疑いで死亡した可能性の高いことが捜査関係者への取材でわかった。このほか病院へ搬送された男性1人が19日亡くなり、死者は計34人になった。京都府警は19日、放火殺人事件として捜査本部を設置し、身柄を確保した男について職業不詳の青葉真司容疑者(41)と明らかにした。

 記者会見した捜査1課の西山亮二課長は逮捕状の請求前に容疑者名を公表した理由について、事態の重大性を鑑みたと説明した。青葉容疑者は全身にやけどを負い、重篤な状態が続いている。

 府警によると、新たに死亡が確認されたのは30代の従業員とみられる男性で、1階で倒れているのが見つかり、病院へ搬送されていた。

 事件では建物内にいた同社の従業員ら計74人のうち33人が現場から遺体で見つかった。いずれも同社の従業員だという。33人のうち5人は遺体の損傷が激しく、府警は19日、死因を詳しく調べるため司法解剖を実施。残る28人は遺体の状態などから、煙を吸い込んだことなどによるCO中毒が死因とみられている。

 火災は18日午前10時35分ごろに発生。青葉容疑者は京都アニメーションの第1スタジオを訪れ、1階の入り口付近でガソリンのような液体をまき、着火用のライターで放火した疑いがあるという。

 鉄筋コンクリート造り3階建ての建物内は、らせん階段で吹き抜けの構造。爆発後、猛烈な勢いで火と煙が上層階に広がったとみられる。延べ約700平方メートルの建物はほぼ全焼した。

 府警によると、遺体で見つかった33人のうち31人は2階以上で集中的に見つかった。特に3階から屋上につながる階段(幅約1・2メートル)には19人が折り重なるように倒れていたという。府警は、屋上へ逃げようとした人たちが立ち上ってきた煙を吸い込み、死亡した可能性があるとみている。

 捜査関係者によると、青葉容疑者はさいたま市内に居住し、「電車で来た」と説明。事件前日の17日昼ごろに現場近くの公園で青葉容疑者と似た人物が目撃されていた。青葉容疑者は身柄を確保された際、伏見署員に「小説を盗まれたから放火した」といった趣旨の説明をしていたことも判明。府警は、青葉容疑者が京都アニメーション側に一方的に何らかの不満を募らせた可能性があるとみている。