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 ビール大手のアサヒグループホールディングス(GHD)は19日、豪州ビール最大手、カールトン&ユナイテッドブルワリーズを、113億ドル(約1兆2100億円)で買収することで合意したと発表した。国内のビール系飲料事業は停滞する一方、これまでに買収した海外事業は好調が続いており、さらに世界でのプレミアムビールの販売を加速させる。

 カールトンの親会社でビール世界最大手のアンハイザー・ブッシュ(AB)インベブ(ベルギー)と合意した。今回買収するカールトンの「ビクトリアビター」は豪州のビール市場で高いシェアを占める有名ブランド。

 アサヒは2016年10月に、ABインベブから西欧のビール事業を約2945億円で買収。さらに17年3月に同社の東欧ビール事業を約8883億円で立て続けに買収した。さらに、今年4月に英国でパブやホテルを運営する「フラー・スミス&ターナー」の高級ビール事業を約370億円で買収しており、高級ビールの販路を世界中に拡大している。

 アサヒが買収するカールトンは、豪南東部メルボルンに本拠を置き、同国内5カ所にある醸造所などに約1300人の従業員を雇用する豪最大手のビール会社。19世紀に創業した各地のビール会社6社が1907年に合併し、現在の社名になった。

 緑を基調にしたラベルでおなじみの「ビクトリアビター(VB)」のほか、「カールトンドラフト」「グレートノーザン」など国内で人気のビールを多く生産・販売している。

 ABインベブはアサヒへのカールトン売却について、「買収で得たお金は負債の圧縮に充てる」と説明し、「他のアジア太平洋地域や世界の成長市場への展開を加速する」とした。

 ABインベブは世界最大のビール会社で、バドワイザーやコロナ、ベルギービールのステラ・アルトワなどのブランドを展開する。

 08年にベルギーのインベブ社が米アンハイザー・ブッシュを買収。大量生産して世界中で売りさばくビジネスモデルで、各国の有力ビール会社を買収してきた。16年に当時世界2位だった英SABミラーを吸収合併し、世界シェアは3割に高まっていた。

 一方、SABミラーの買収にかかった10兆円規模の費用で債務が膨らみ、財務体質の改善が課題だった。ABインベブは対策としてアジア子会社の香港市場への上場を計画したが、先週になって断念。欧米メディアは、ABインベブ側の株式評価額が市場で強気すぎると受け止められたと報じていた。(長橋亮文、シドニー=小暮哲夫、ロンドン=和気真也)