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(19日、楽天5―1ソフトバンク)

 八回まで一人の走者も許さなかったのに、最後の最後に、楽天の美馬は歴史的な快挙を逃した。「やっちゃった。うまくはいかないだろうと思ったけど」と苦笑いだった。

 七回あたりから、ストライクを一つ取るごとに球場中がわいていく。プロ野球では25年ぶりの快挙まであと3人に迫った九回を、美馬は「(歓声が)ちょっとプレッシャーだったかなあ」と振り返った。

 それまでほとんどの球を低めに集めていたが、先頭の明石にはカットボールが上ずる。四球。続く代打の栗原には低めのスライダーを左前に運ばれ、球団史上初のノーヒットノーランも夢に終わった。味方の拙守もあり、1点を返されたが、9回1失点で6勝目。今季、9回を投げきったのはチームで初めてだ。

 169センチと小柄ながら、最速は150キロを超える。2013年の日本シリーズではMVPに輝き、先発陣には欠かせない右腕だ。今季は則本昂や岸が離脱する苦しい状況の中、開幕からローテーションを守りつづけてきた。

 「前半戦は、中継ぎに助けてもらっていた。これからは、先発が長いイニングを投げて上位にいけるようにしたい」。これで、ソフトバンク戦は3試合で2失点。2位の日本ハム戦は1試合に先発して無失点。混戦模様のパ・リーグで、上位との対戦で結果を残している32歳の存在が頼もしい。(松沢憲司)