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 振り込め詐欺グループの宴会に出席して現金を受け取るなど一連の問題で、吉本興業から契約を解消されたお笑いコンビ「雨上がり決死隊」の宮迫博之さんが20日、謹慎処分中のロンドンブーツ1号2号の田村亮さんと共に記者会見を行った。宮迫さんは、田村さんが6月に吉本興業に謝罪会見を開きたいと伝えた際、吉本興業の岡本昭彦社長から「やってもええけど、ほんなら全員連帯責任でクビにする」などと圧力があったと主張した。

 会見は午後3時すぎ、東京都港区のビルの地下にあるイベントスペースで開かれた。会見は吉本興業が関わらない形で行われ、詰めかけた報道陣を前に、2人は黒のスーツ姿で登場。冒頭、深々と頭を下げた。

 宮迫さんは、「何よりも詐欺の被害に遭われた被害者の方々、ご家族、親族の方々に、とんでもない不快なつらい思いをさせてしまっていることをおわびさせてください。本当に申し訳ありませんでした」と語り、再び頭を下げた。

 さらに、「世間の皆様、我々のことを応援してくださっている方々、とんでもない取り返しの付かないことを、迷惑をかけてしまっている関係者の方々、そして、不快な気持ちにさせてしまっている全ての皆様に本当におわびさせてください」とも述べた。

 田村さんは「自分の口からもちゃんと謝罪を伝えたいと思います。詐欺被害に遭われた方々そしてその親族の方々、本当に不快な気持ちにさせてしまい、嫌な気持ちにさせてしまい本当に申し訳ございませんでした。僕の弱い部分のせいで、人としてだめな部分、そのせいで虚偽の説明をしてしまい、その行動・言動によって不快な気持ち、不信感を抱かせてしまった方々嫌な気持ちにさせしまった方々すべての方々申し訳ありませんでした」

 宮迫さんは、当初金銭を受け取っていなかったと吉本興業に虚偽の報告をした点にも触れ、「大きな騒動にしてしまったのは、ぼくの保身から来る軽率なうそから始まっている。そのせいで、後輩たちも、巻き込んでしまいました。今回の騒動の全責任全ての責任は、僕のせいです。すみませんでした」と述べた。

 詐欺グループから金銭を受け取ったことを当初否定していたことについて宮迫さんは、「勝手な本当に自分の解釈で、ギャラはもらっていないんじゃないかと。もらってないでいいんじゃないかと(闇営業を仲介した)入江(慎也)君に言いました。そして他のメンバーにももらってないと言ってくれと入江くんに指示を出しました。会社にもそう言ってくれと指示を出しました」と説明。その後、入江さんが解雇されたと聞き、「こんなことで解雇になるんだとまだ僕は事の重大さに気づいていませんでした」と語った。

 問題の大きさに気づいた宮迫さんは、会見を開いたほうがいいと会社に要望したものの、会社からは「静観です」との回答だったという。その後、6月24日に、急に会社に呼ばれ、全員、謹慎だと伝えられたという。

 その際、田村さんが「記者会見をやらしてください」と主張したが、吉本興業の岡本社長から「お前らテープ回してないやろうな」と確認された上で、「亮、ええよおまえ辞めてひとりで会見したらええわ。やってもええけどほんなら全員連帯責任でクビにするからな。俺にはおまえら全員クビにする力がある」と言われ、全員なにも言えなくなったと語った。

 引退について宮迫さんは「何度もそのことは考えました。僕は18の頃から30年間、この世界のことしかやってきていない。できることはこの世界で学んだことしかない。引退すると、僕のような能力でも、できることで何かお役に立てることが、いつか、何年経とうがいつか、できるかもしれないという思いがあるので、引退ということは考えられない」と語った。

 また、写真週刊誌が、宮迫さんが大阪市の飲食店で金塊窃盗事件の被告と同席した写真が報じられた点については、「写真を撮った記憶はうっすらある。中学の同級生とその店に行った。トイレから出てきたところを、写真を撮ってくれと囲まれて、撮ったただそれだけの写真です」と述べ、金銭のやりとりはなかったと主張した。

 また、宮迫さんは一連の騒動の中で、先輩芸人の松本人志さんから「細かい金額とか、全部言った方がいい」などと助言を受けたが「恩義のある先輩の大事なアドバイスをちゃんと受け止められませんでした」などと語った。

 田村さんは、「契約解消になれば、(相方の)淳とコンビができなくなる。けど、(自分たちで会見を開いて)本当のことがやっぱり言いたい、と伝えた。淳は『相談をしてほしかった。正直なことを言うのは応援する。個人的にはコンビ解散と思ってないからな』と言われた」と語った。

 宮迫さんは相方の蛍原徹さんについて「親よりも子よりも誰よりも長く一緒に時間を過ごしてきた。こんなやつのためにあいつは、何回も頭を下げてくれる。こんな駄目人間のために頭を下げてくれる」と語った。今回の騒動で、電話をした際、「大丈夫だから。俺は大丈夫やから」と伝えられたことを明かし、「だからやっぱり申し訳ないじゃ、すまないです」と語った。

 今回の吉本興業に対しての思いを問われた際、宮迫さんは「僕たちは、詐欺被害に遭われた方々や、信用して笑ってくれた人たちにただ謝罪がしたいだけだった。ただ、今のこの形は不本意だが、大阪人で生まれて、子供の頃からたくさん笑わせてもらっている吉本興業に18歳で入らせていただいて、こんなアホを30年間、育ててくれた吉本興業に対しては、感謝しかないですよ。こんなことしたいわけないじゃない」と語り、嗚咽(おえつ)を漏らした。

 今後の活動については、宮迫さんは「いろんなことが起こりすぎて……、当初ついたうそでここまでの騒動になっているので、正直今は今後のことは考えることができません」。田村さんは「僕も本当にいま、この先のことは考えられない」と語った。引退については2人とも考えていないという。

 会見の模様は一部ネットメディアでも生配信された。2人は生放送ありの会見を吉本側に要望していたという。田村さんは吉本側に「ネットとかで全部見れるようにしてもらえないか」と伝えたが、「こっちで決める」「在京5社、在阪5社のテレビ局は吉本の株主だから大丈夫やから」などの説明もあり、不審に思ったという。

 田村さんは「僕らからすると何が大丈夫かよくわからない。本当の気持ちが伝わるか不安になった。ネットのこととかを止めようとしたように感じてしまった」。そのうえで「『ファミリー』と言ってくれていた方が、こういう風に変わっていくことにびっくりしている」と述べた。

 一連の問題の発端は、2014年12月に、当時、吉本興業に所属していたお笑いコンビ「カラテカ」の入江慎也さんの仲介で、振り込め詐欺グループの宴会に宮迫さんら同社所属のタレント11人が会社を通さない「闇営業」に参加したこと。

 今年6月に発覚し、吉本興業は会社を通さず営業し、反社会勢力とつながり、ほかのタレントを巻き込んだとして入江さんとの契約を解消した。写真週刊誌「フライデー」からの取材がきっかけだった。

 宮迫さんらはいずれも詐欺グループの集まりとは知らなかったという。金銭の受け取りについては否定しており厳重注意にとどめていたが、その後の調査で宮迫さんは100万円、亮さんは50万円など全員が金銭を受け取っていたと認定でき、11人を当面の間、謹慎処分にすると発表した。宮迫さんは「金銭を受領していたことを深く反省しております」などと同社を通じコメントしていた。

 吉本興業は税務の申告を修正。償いの一環として、消費者団体支援などとして二つのNPO法人に計300万円を寄付した。

 他に処分を受けたのは、レイザーラモンHGさん、ガリットチュウの福島善成さん、くまだまさしさん、ザ・パンチのパンチ浜崎さん、天津の木村卓寛さん、ムーディ勝山さん、2700の八十島宏行さんと常道裕史さん、ストロベビーのディエゴさん。

 これとは別に、「スリムクラブ」と「2700」の計4人が、暴力団幹部らのパーティーで営業をしたとして、吉本興業は6月27日に無期限謹慎処分とし、発表した。「2700」は、詐欺グループの宴会への参加で、すでに「当面の間」の謹慎処分を受けていた。

 吉本興業によると、4人は2016年8月ごろ、別の芸能事務所の芸人から「飲食店オーナーの誕生会」と誘われて漫才の営業に行ったが、それは暴力団幹部が参加するパーティーだった。吉本興業を通さずに、対価として金銭を受け取っていたという。4人とも、反社会勢力が参加していたという認識はなかったという。

 吉本興業は反社会勢力の排除について「これまでのコンプライアンスへの取り組みや方法では十分にカバーしきれない面があった」と認めた上で、「さらなるコンプライアンスの徹底に全力を尽くす」との決意表明を、公式サイトなどで発表した。処分を受けたのは、「スリムクラブ」の真栄田(まえだ)賢さんと内間政成さん、「2700」の八十島宏行さんと常道裕史さん。

 宮迫さんを巡っては、7月19日、吉本興業が「今後の宮迫博之とのマネジメントの継続に重大な支障が生じた」として、宮迫さんとの契約解消を発表。19日発売の写真週刊誌「フライデー」が金塊窃盗事件の被告の男と同席しているとされる写真などを報じていた。