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(20日、高校野球三重大会 菰野6―0四日市南)

 試合終了のサイレンが鳴り響く。スタンドで試合を見守った四日市南の学生コーチ林寛大(かんた)君(3年)は、座り込み、そして涙をぬぐった。

 昨冬、牧野友博監督に学生コーチを志願した。もともと控えの投手だったが、選手としては芽が出ず、部活を辞めようと思ったことも。「責任から逃げるな」と牧野監督に言われ、悩んだ末の結論だった。

 コーチになってからはマッサージの勉強をし、練習中は打撃投手を担うなど裏方としてチームを支えた。投手だったからこそ、小川珠希投手(2年)にはリリースの時の力の入れ具合や体重移動をアドバイス。球速がぐっと上がった。「コーチになってから感謝されることが増えて、やりがいを感じました」

 2回戦では自らスタンドで太鼓のばちを握った。1回戦でスタンドの盛り上がりに欠けていると感じたからだ。味方がアウトを取るたびに太鼓を打ち鳴らし、攻撃に入ると両手にメガホンを持って誰よりも大きな声でチームを鼓舞した。

 「菰野にも勝てると思っていたから悔しい」。試合後には大粒の涙を流した。明日からは受験生に戻る。(甲斐江里子)